ドッペルドミナントについて解説します。
音楽理論の発展的な内容になっていますが、この記事を最後まで読むことで理解ができます。
ドッペルドミナント
英語を使って「ダブルドミナント」という言い方もします。
ドミナント(V)をトニックと見立てたスケールにおけるドミナントのことをドッペルドミナントと言います。
ドミナントの理解がない人はこの記事から読みましょう!
【音楽理論講座】ダイアトニックコードの成り立ちを理解しよう〜トニック、サブドミナント、ドミナントの関係性〜
「トニック」に対する5番目のコードがドミナント
ダイアトニックコードにおける5番目のコード「V」(「Key=C」でいう「G」)は「ドミナントコード」と呼ばれます。
- ドミナント=「G(V)」
- トニック=「C(I)」
【Cダイアトニックコード】C, Dm, Em, F, G, Am, Bm-5
あるコードをそのキーの「トニック(I)」としてダイアトニックコードを組み立てたとき、5番目のコードがそのキーにおける「ドミナント」になる、ということです。
「ドミナント」を「I」と見立てたときの「ドミナント」
Key=Cでいうとドミナントコードは「G」でした。
このGをⅠと見立てた時のドミナントがドッペルドミナントということです。
- ドミナント=「D(V)」
- トニック=「G(I)」
【Gダイアトニックコード】G, Am, Bm, C, D, Em, F#m-5
つまり、「D」がドッペルドミナントになります。
その他の例
いろいろなキーのダイアトニックコードからダブルドミナントを導くことができます。
続いて、Key=D」におけるダブルドミナントを導いてみましょう。
【Dダイアトニックコード】D, Em, F#m, G, A, Bm, C#m-5
ドミナント=「A(V)」
Aをトニックに見立てると
【Aダイアトニックコード】A, Bm, C#m, D, E, F#m, G#m-5
ドミナント=「E(V)」
よって、「Key=D」のドッペルドミナントは「E」である、ことがわかります。
ドッペルドミナントの求め方
ドッペルドミナントは「Ⅱm」をメジャーコードにしたものと定義できます。
Fを例に考えてみましょう。
FのⅡmは「Gm」です。
なので「F」のドッペルドミナント は「G」ということになります。
- 「Ⅱm」=「Gm」
- ドッペルドミナント=「G(Ⅱ)」
【Fダイアトニックコード】F, Gm, Am, B♭, C, Dm, Em-5
このように意外と簡単に求められます。
ドッペルドミナントはセカンダリードミナントコードでもある
セカンダリードミナントコードは、ダイアトニックコードにおける「I」以外のコードを「I」と見立てた場合のドミナントコードのことを指し、ドッペルドミナントもそこに含まれるということです。
つまり、より大きな範囲を指す「セカンダリードミナントコード」という概念があり、その中で「ドミナントのドミナント」だけを特別に「ドッペルドミナント」と呼びます。
セカンダリードミナントについてはこちらの記事で解説しています。
【音楽理論講座】セカンダリードミナントって?見つけ方、使い方について解説します
まとめ
ドッペルドミナントの求め方は簡単ですね。
まとめると
- ダイアトニックコードの「Ⅱm」を「Ⅱ」にしたもの
- 「ドミナント」の「ドミナント」のこと
- ドッペルドミナントはセカンダリードミナントコードでもある
理解できましたか?
ドッペルドミナントはよく出てきます。
セカンダリードミナントコードの一種だと思っていいでしょう。
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