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転回形ってなに?転回形とオンコード(分数コード)の違いについても解説します

投稿日:2022年2月25日 更新日:

みなさん、こんにちは。

転回形について解説します。和音を並び順を変えるとコードネームが変わります。分数コードで表されるこのコードですが、今回はそんな転回形について解説します。最後まで見ていってください。

転回形

転回形とはコードの基本形を転回(並び順を変えて)させてできたコードの形のことです。

転回形

たとえば、Cメジャー(ドミソ)これが基本形で、音の並び順を変えると「ミソド」ですが、これもCメジャーであることには変わりありません。

この「ミソド」をCの転回形と言います。

また、「ソ」を最低音に持ってきてできる形「ソドミ」もCの転回形になります。

転回形の種類

転回形の種類はこのように

  • 第一転回形
  • 第二転回形
  • 第三転回形

とあります。

C(ドミソ)のコードで説明します。

転回形

基本形(ドミソ)

基本形とは、ルート音(ド)が一番下にくる形をいいます。

  • ソ(5度音)
  • ミ(3度音)
  • ド(ルート)←最低音

コードでは基本の形で、ポピュラーな響きになります。

第一転回形(ミソド)

このように、3度音(ミ)が最低音になった形を第一転回形と言います。

  • ド(ルート)
  • ソ(5度音)
  • ミ(3度音)←最低音

構成音は上と変わらず「ドミソ」ですが、「ミ」が最低音(ベース音)になることで、Eの響きが強くなります。

この音を「C/E」(読み:シーオンイー)と表し、楽譜などには表記します。

これをCのオンコード(分数コード)と言います。

第二転回形(ソドミ)

このように、5度音(ソ)が最低音になった形を第二転回形と言います。

  • ミ(3度音)
  • ド(ルート)
  • ソ(5度音)←最低音

このコードは「C/G」となります。

「C/E」と同じく、Cのオンコードです。

このコードは、Gの響きが強くなるので、Gのコードの代用で使うと、面白い進行感やひびきが得られます。

第三転回形

転回形は3和音だけでなく、4和音(セブンスコード)でも同じことが言えるので、セブンスコードの場合、7度音が一番下(最低音)にきます。

  • 【 C△7(ドミソシ) 】
  • ソ(5度音)
  • ミ(3度音)
  • ド(ルート)
  • シ(7度音)←最低音

これを第三転回形というわけです。

オンコードとの違い

『転回形=オンコード(分数コード)?』

という疑問を持った人もいるかと思います。

その通りです。

ですが、全くのイコールではない点、

「転回形は、オンコード」ですが、「オンコードは、転回形ではない」

からです。

「C/D」は転回形?

今まで紹介してきた、転回形コードは全て「/」で表記する「オンコード」です。

しかし、「C/D」はどうでしょうか?

最低音が「レ」なのでこのようになります。

  • ソ(5度音)
  • ミ(3度音)
  • ド(ルート)
  • レ(2度音)←最低音

最低音の「レ」はCの構成音にはないことがわかります。

なので、Cの転回形ではないですよね。

他の例でいうと、「G/C」も転回形ではありません。

  • レ(5度音)
  • シ(3度音)
  • ソ(ルート)
  • ド(4度音)←最低音

このように、オンコードであっても転回形ではないコードというのはいくつか存在するのです。

2種類のオンコードを例にまとめると

  • C(ドミソ)/D(レ)→「転回形ではない」
  • C(ドミソ)/G(ソ)→「転回形」

構成音にない音を含む場合は、オンコードであっても、転回形ではないのです。

他のコードに変化する

全体の構成音から他のコードを連想することができます。

たとえば、「Am/G

  • ミ(5度音)
  • ド(3度音)
  • ラ(ルート)
  • ソ(7度音)←最低音

最低音にG(ソ)を持つことで「Am7(セブンスコード)」に変わることがわかります。

このように、分数コードの多くはセブンス(7th)やテンションコード(9th,11th,13th)と同じ構成音になることが多いのです。

テンションコードは以下の記事で学べます。

【音楽理論講座】アヴォイドノート(回避音)について解説します。テンションコードを使う時は調和を崩さないように気を付けましょう

転回形コードの活用例

最後に転回形の活用例を紹介します。

コード進行で転回形を入れる場所、入れ方次第で進行の雰囲気が違うものへ変化します。

作曲でいつも似たような曲になってします人はここを意識するとアレンジの幅が広がります。

ベースラインを動かさないコード進行

■一般的な進行

C → F → G

■変更後

C → F/C → G/C

このようにベース音が「C」の進行です。

これは、ベース音のひびきを保ったまま、わずかに色合いが変わっていくコード進行に変わります。

ドミナントセブンスに近い役割

もうひとつの活用例が、ダイアトニックコード内において「サブドミナント」の響きを持つ「Ⅱm7」に、ドミナント「V」のベース音が組み合わされた分数コードです。

■一般的な進行

C → Am → G7 → C

■変更後

C → Am → Dm7/G → C

この例は

表面的なコードのサウンドは「サブドミナント」でありながら
コードの性質は「ドミナント」である

というのがポイントです。

構成音で見てみると

  • G7 (ソシレファ)
  • Dm7/G (ソレファラド)

「Dm7/G」の構成音には「レファラ」が含まれています。→サブドミナント

とはいうものの、G7の音である「ソレファ」も持っているため、サブドミナント的なひびきなのに、ドミナントの役割というわけなのです。

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