みなさん、こんにちは。
今日は曲のキーの簡単な見つけ方を教えます。
キーを見つけるときに、意外と難しく考える人がいますが、今回は簡単な方法を教えます。
ダイアトニックコード
曲のキーを見つけるには、まずダイアトニックコードについて理解しておく必要があります。
ダイアトニックコードとは、曲を構成する7つのコードのことです。
わからない人はこの記事を参考にしてみてください。
【音楽理論講座】ダイアトニックコードの成り立ちを理解しよう〜トニック、サブドミナント、ドミナントの関係性〜
※ダイアトニックコードについてはこの記事の最後でも解説しています。
曲のキーはメロディから探せる
キーというのは「着地音」
曲、メロディーの中でよく登場し、
「主音」ですよね。
結論からお話しすると、
- 一番落ちつく音を探す
- 明るい曲か暗い曲か
たったこれだけで曲のキーは簡単に見つけられます。
1.一番落ち着く音を探す
まずはじめに曲の中で「一番落ち着く音」を探します。
曲のワンフレーズ聴くと、その中に落ち着く音があります。
基本的に最後に来る音がこの音ですね。
このあと、実際に曲を用いて解説していきます。
2.曲の明暗を判別
次に明暗を判別します。
- 明るい→メジャーキー
- 暗い→マイナーキー
これは感覚的なところもありますが、明るいと感じたら「メジャーキー」、暗いと感じたら「マイナーキー」ということです。
1度と3度の関係
そんなこと言われても、難しいんですけど、という人のために、理論的な判別の仕方を教えます。
それは、1度と3度の関係(音の距離)に着目します。
- 長3度→メジャー
- 短3度→マイナー
1.で調べた「一番落ち着く音」が1度ですよね。
3度の音が長3度か短3度か調べることでメジャーかマイナーの判別ができます。
僕は鍵盤でメロディーを弾くことで3度はどの音が使われているか調べます。
曲を使って具体的に解説してみます。
Lemon/米津玄師
名曲「Lemon/米津玄師」のキーを探してみましょう。
結論から言うと『Bメジャー』です。
■落ち着く音を探す
一番落ち着く音探しですが、曲の一番最後のこの歌メロに着目してみます。
「今でもあなたはわたしの光」
ここで言う一番落ち着く音というのは、最後の”光〜の「り〜」の音”です。
この音は「シ(B)」です。
■メジャーかマイナーか判別する
次にメジャーかマイナーか判別しますが、この曲は切ない歌詞の曲で、「暗い曲」と受け取る人もいそうなので、理論的に判別してみます。
1度と3度の関係に注目してみましょう。
わ(シ:1度)た(ド#:2度)し(レ#:3度)の(ミ:4度)
こんな感じで1度と3度が4半音(長3度)なので、『メジャーキー』だとわかりますね!
よって、Lemonの曲のキーは「Bメジャー」になるというわけです。
キーは全部で24種類
キーは全部で24種類。
メジャーキーの構成音と同じ構成音を持つマイナーキーが必ず存在します。
- 【メジャー】=【マイナー】
- 「C」メジャー/「A」マイナー
- 「D」メジャー/「B」マイナー
- 「E」メジャー/「C#」マイナー
- 「F」メジャー/「D」マイナー
- 「G」メジャー/「E」マイナー
- 「A」メジャー/「F#」マイナー
- 「B」メジャー/「G#」マイナー
- 【メジャー】=【マイナー】
- 「D♭」メジャー/「B♭」マイナー
- 「E♭」メジャー/「C」マイナー
- 「G♭」メジャー/「E♭」マイナー
- 「A♭」メジャー/「F」マイナー
- 「B♭」メジャー/「G」マイナー
ピアノの鍵盤すべて(12音)にそれぞれメジャーとマイナーのキーが存在するということです。
上の等式は暗記できないと思うので、このように覚えると導けます。
Key= Ⅰ(Ⅰメジャー)= VIマイナー(6度マイナー)
鍵盤で9コ右の音が、そのマイナーキーになります。
Cメジャーであれば「→C#→D→D#→E→F→F#→G→G#→A」という感じ。
■「Cメジャー=Aマイナー」の説明
なぜ、Cメジャー=Aマイナーになるか簡単に説明しておきます。
構成音が同じ、つまり「ドレミファソラシ」この7音から構成されるのが、CメジャーキーとAマイナーキーです。
- メジャースケール「全全半全全全半」
- マイナースケール「全半全全半全全」
これを覚えていますか?
Cメジャースケールは、「C(ド)」の音から「全全半全全全半」の間隔で並んだ音の並び つまり、「ドレミファソラシ」
Aマイナースケールは、「A(ラ)」の音から「全半全全半全全」の間隔で並んだ音の並び つまり、「ラシドレミファソ」
スタートの音が違うだけで、構成する7つの音は同じになります。
そして、明暗を分けるのが、1度と3度の関係でしたね。
メジャーは全全…なので4半音、マイナーは全半…なので3半音
- ■1度と3度の間隔
- 4半音=明るい(長調:メジャー)
- 3半音=暗い(単調:マイナー)
ということになります。
この関係を「平行調」と言います。
3和音と4和音
コードには、3和音と4和音がありますが、音楽理論上は、3和音でも4和音でもコードの機能は一緒です。
- C(ドミソ):3和音
- C△7(ドミソシ):4和音
曲のキーを見つける上で3和音(4和音からセブンス(△7th、m7th)の音を省いたもの)で考えます。
「4和音→3和音」に変換する時のルール
4和音は、このように「7th」を削除します。
- メジャーセブンス系コードの場合:「△7」を削除する
例:C△7 → C - それ以外のコードの場合:「7」だけを削除する
例:G7 → G Am7 → Am Bm7-5 → Bm-5
楽譜からキーがわかる
楽譜からもキーの判別ができます。
五線譜に「#」「♭」がいくつついているかでその曲のキーがわかります。
一覧表 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
0個 | 1個 | 2個 | 3個 | 4個 | 5個 | 6個 | |
#の数 | C | G | D | A | E | B | F# |
♭の数 | C | F | B♭ | E♭ | A♭ | D♭ | G♭ |
調号(#,♭)が何もついていない場合が「Cメジャー/Aマイナー」です。
シャープ(#)系
■シャープ(#)の数でキーが断定できる
- 【#1】Gメジャー/Eマイナー
- 【#2】Dメジャー/Bマイナー
- 【#3】Aメジャー/F#マイナー
- 【#4】Eメジャー/C#マイナー
- 【#5】Bメジャー/G#マイナー
「#」がひとつ増えると
『G → D → A → E → B』
と変化していく。
ギターかベースやっている人なら、チューニングの音なので、ピンと来るのではないでしょうか。
フラット(♭)系
■フラット(♭)の数でキーが断定できる
- 【♭1】Fメジャー/Dマイナー
- 【♭2】B♭メジャー/Gマイナー
- 【♭3】E♭メジャー/Cマイナー
- 【♭4】A♭メジャー/Fマイナー
- 【♭5】D♭メジャー/B♭マイナー
- 【♭6】G♭メジャー/E♭マイナー
「♭」がひとつ増えると
『F → B♭→ E♭→ A♭→ D♭→ G♭』
と変化します。
また、#,♭が五線譜に書かれていることで、どの音に#,♭が付くかがわかります。
#,♭が付いている音は黒鍵を弾けばいいというわけですね。
上のように赤●で印をつけてみると、●音がそのキーやスケールの構成音だと一目瞭然です。
最後に全12種類のキーのダイアトニックコードを紹介して、終わろうと思います。
シャープ系
■ Cメジャー/Aマイナー
■ Gメジャー/Eマイナー
■ Dメジャー/Bマイナー
■ Aメジャー/F#マイナー
■ Eメジャー/C#マイナー
■ Bメジャー/G#マイナー
■ F#メジャー/D#マイナー
フラット系
■ Fメジャー/Dマイナー
■ B♭メジャー/Gマイナー
■ E♭メジャー/Cマイナー
■ A♭メジャー/Fマイナー
■ D♭メジャー/B♭マイナー
■ G♭メジャー/E♭マイナー
それぞれのキーの曲では、主にこの7つのダイアトニックコードによって構成されています。
これらのダイアトニックコード以外のコードでは「セカンダリードミナントコード」がよく使われます。
セカンダリードミナントコードについてはこちらの記事をご確認ください。
【音楽理論講座】セカンダリードミナントって?見つけ方、使い方について解説します
最後までご覧いただきありがとうございました。