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【小さなチップ。大きな一歩。】Macユーザー必見!M1チップ搭載MacとIntelチップ搭載Macの違いをわかりやすく解説します

投稿日:2021年8月26日 更新日:

m1チップmac

AppleがMacのために開発した「M1チップ」。2020年11月のリリース直後からガジェット界の話題を独占し、実際にM1チップ搭載MacBookを購入したユーザーからの高評価も続々と報じられている昨今、IntelモデルのMacやWindowsからの乗り換えを検討されている方も多いのではないでしょうか?

この記事では、注目を集めるM1チップの特徴、そしてIntel製のCPUを搭載したこれまでのMacとの違いを解説していきます。

最新Macに搭載された「Apple M1チップ」とは

Apple M1チップ(通称Apple Silicon)は、Appleが10年以上もの歳月をかけてMacのために初めて設計・開発したチップです。ARM Ltdが設計・ライセンス化した、低電力アプリケーション向けのARMアーキテクチャという基本設計が採用されており、消費電力を抑えつつも、驚きの高性能を実現しています。

これまでのMacにはWindows PCなどにも搭載されているIntel製CPUが採用されていましたが、Macに最適化した自社製の新しいチップを搭載することで、Macはより高性能なPCへと進化したのです。

Apple M1チップの特徴

acに最適化されたM1チップには、大きく4つの特徴があります。

  • システムオンチップ(SoC)
  • 高いCPU性能
  • 統合型グラフィックス
  • 機械学習性能

M1チップは、プロセッサとマイクロコントローラを統合したシステムオンチップ(SoC)によって、あらゆる処理の効率化が図られていることが大きな特徴です。内蔵されているCPUも8コアと高性能で、グラフィックスに関しても最大8コアのGPUを搭載可能。M1チップ単体で高いグラフィックス性能が期待できます。

さらに、機械学習の推論演算に使われるNeural Engineも搭載され、高精度な画像認識・音声認識機能を備えていることも大きな特徴のひとつです。

システムオンチップ(SoC)

システムオンチップ

M1チップ最大の特徴は、システムオンチップ(System-on-a-chip)であることです。

SoCとも略されるシステムオンチップとは、CPUやGPUなどのプロセッサと、メモリや周辺機器などを制御するためマイクロコントローラを統合したものです。別々に搭載されていたプロセッサと複数のマイクロコントローラをインクルードし、処理の効率化を図っています。

さらに電気の流れを制御するトランジスタは、原子レベルの5ナノメートルサイズを実現。160億個という膨大な数を搭載しています。

プロセッサとマイクロコントローラを統合し、多くのトランジスタを搭載することで、あらゆる処理を効率的かつ高速で実現できることが、システムオンチップであるM1チップのメリットです。

高いCPU性能

高いcpu性能

CPU(Central Processing Unit)は、中央演算処理装置と呼ばれるもので、しばしば「PCの頭脳」に例えられるパーツです。

M1チップに搭載されているCPUには、8つものコアが搭載されています。コアとは、処理を実際に担う中央処理ユニットのことで、このコアが多ければ多いほど同時にいくつもの処理が可能になります。

M1チップのコアは、「高性能コア」と「高効率コア」にわけられ、それぞれ4つずつ搭載されています。

  • 高性能コア:性能を最大限に発揮できるコア。マルチタスクで高度な作業を行うのに適しています
  • 高効率コア:消費電力は従来の10分の1といわれており、負荷が少ない処理に用いることで、電力消費を抑える役割を担います

ハイパフォーマンスと電力消費の低減を同時に実現していることが、M1チップに搭載されたCPUの大きな特徴といえるでしょう。

統合型グラフィックス

統合型グラフィックス

個人向けPCにおいては世界最速の統合型グラフィックスと謳われているM1チップのグラフィックス。

最大8コアのGPU(Graphics Processing Unit)を内蔵できるだけでなく、CPUと同様に徹底した省電力化が図られています。

Macのアプリケーションに最適化したGPUを採用することで高性能化と効率化を同時に実現し、少ない消費電力で高いグラフィックス性能を発揮できる仕組みです。

8コアのGPUを搭載したモデルなら、一度に実行できるスレッド(プログラムの処理単位)は、最高で約25,000となり、この数値は2020年12月現在においては個人向けPCでは最大となります。

高いグラフィックス性能と消費電力の少なさを活かして、バッテリー駆動にて動画編集を行うといったような使い方も可能です。

機械学習性能

機械学習性能

機械学習の推論演算に使われるNeural Engineと呼ばれる機構を搭載していることも、M1チップの見逃せないポイントです。

機械学習とは、作業の経験から学習し、作業内容を自動でより適したものへと改善していくアルゴリズムを指します。例えば動画編集ソフト『Final Cut Pro』を使う際、これまでの作業経験に応じて瞬時に映像の必要な部分をフレーミングしたり、画像編集ソフト『Pixelmator Pro』では、作業経験に基づいたシャープ調整やディテール調整を的確に行ったりと、作業効率の飛躍的なアップをサポートします。

今までのMacアプリも使用可能

CPUの刷新によりアーキテクチャも変わってしまうため、M1チップ搭載Macへの乗り換えにあたっては、「既存のアプリが使えなくなってしまうのでは?」と懸念する声が見られます。

実際、一部のアプリは使用できないこともありますが、多くのアプリにおいてはM1チップ搭載Macでも使用できるよう、Appleによって以下の解決策が用意されています。

  • ユニバーサルアプリ
  • Rosetta 2

ユニバーサルアプリ

ユニバーサルアプリとは、どのMacでも使用できるように設計されたアプリのことです。Macの内蔵アプリとApple製アプリは、すべてユニバーサルアプリ化が行われており、M1チップの性能を最大限引き出せるように最適化されています。

もちろん、iMovieやPages、Keynote、GarageBandといった基本的なアプリもすべて、M1チップ搭載のMacでそのまま使用できます。

Rosetta 2

Rosetta 2とは、ユニバーサルアプリ化されていないアプリを、M1チップ搭載Macで使用するためのプログラムです。このプログラムは、Intel製のCPUを搭載したMacの環境をエミュレートするもので、M1チップ搭載Mac上に、疑似的にIntel製CPUを搭載した環境を構築するものです。

一般的に、エミュレートを行うと処理速度は大幅に下がるといわれていますが、M1チップではその高い性能を背景に、エミュレートとは思えないほどの処理速度を実現しています。

iOSアプリの直接実行も可能に

さらに、M1チップ搭載Macで採用された新OS『macOS Big Sur』では、iPhoneアプリとiPadアプリも、Mac上で初めて直接実行できるようになりました。

ユニバーサルアプリとRosetta 2によるエミュレートにより多くのMac用アプリが使用できるだけでなく、iOSアプリの実行もプラスされ、これまで以上にさまざまな用途にてMacの使用が可能になっています。

なお、普段使っているMac用アプリやiOS用アプリをM1チップ 搭載Macで使えるか、無料で簡単にチェックできるアプリ『iMobie M1 App Checker 』もリリースされています。

M1チップ搭載Macと、従来のIntelモデルとの違いを比較

独自のシステムオンチップを採用することで高性能化と省電力化を実現したM1チップ搭載Mac(以下、M1 Mac)ですが、既存のIntelモデル(以下、Intel Mac)と比較してどのような違いがあるのでしょうか?

【M1 Mac】
13インチMBA(M1,2020)
13インチMBP(M1,2020)
【Intel Mac】
13インチMBP(4ポート,2020)
16インチMBP(2019)
※MBA:MacBook Air/MBP:MacBook Pro

上記4モデルの基本スペックと価格をまとめました。

m1macとintelmac比較

まず、M1 MacはIntel Macよりも低価格であることが見て取れます。

具体的に、メモリ16GB、SSD512GBの13インチモデルで比較してみると、これまでのIntel搭載MBPが188,800円に対し、M1搭載MBPは174,800円と、1万円以上安くなっています。画面サイズが異なるので単純な比較はできませんが、16インチMBP(2019)と比較した場合は、7万円以上も安いことになります。

CPU性能

次に、M1 MacとIntel Macに搭載されているCPUの性能を比較していきます。

cpu性能

アーキテクチャが異なるため、単純な性能比較は難しいのですが、13インチMBP(M1,2020)の標準モデルに搭載されているM1チップと、13インチMBP(4ポート,2020)の標準モデルに搭載されている第10世代 Intel Core i5を比べた場合、M1チップはコア数2倍、さらに独自の8コアGPUも内蔵するなど、優位性がうかがえます。

また、CPUの処理速度を測定するベンチマークソフトを使った実験では、16インチMBP(2019)の最上位モデルに搭載されている第9世代 Intel Core i9とM1チップがほぼ同程度の速度を記録したとの情報もあります。

ベンチマークは使うソフトや環境によってパフォーマンスに幅が出るので、こちらも一概には言えませんが、M1チップ搭載モデルと第9世代 Intel Core i9モデルの価格差を考えた場合、M1 Macのコストパフォーマンスの良さが際立ちます。

GPU性能

続いて、M1 MacとIntel Macに搭載されているGPUの性能を比較していきます。

GPU性能

最大8コアのGPUを内蔵したM1チップの性能は、16インチMacBook Pro(2019)の最上位モデルに搭載されているAMD Radeon Pro 5600M(8GB HBM2)を上回るとの検証結果も報告されています。

13インチMBP(4ポート,2020)に搭載されているCPU内蔵のIntel Iris Plus Graphicsでは厳しいとされている大容量ファイルを使用した動画編集も、M1チップ搭載の13インチMBPならスムーズに行うことも十分に可能なスペックと想定されるでしょう。

ただし、M1 Macでは、外付けのeGPU(External Graphics Processing Unit)が使用できません。

eGPUとは、Windows PCや現行のIntel Macで使用できる外付けGPUで、接続することでグラフィック性能を飛躍的にアップさせるパーツです。AMD Radeon Pro 5600M(8GB HBM2)を上回る性能のeGPUを使用している場合は、この点に特に注意してください。

なお、同じM1チップでも、13インチMBA(M1,2020)に搭載されているM1チップのGPUは7コアとなり、MBPよりも性能は下回ります。大容量の映像ファイルを読み込みながらの動画編集など、負荷の高いマルチタスク作業を想定するなら、MBPが適しています。

バッテリー駆動時間

システムオンチップの採用により省電力化を実現したM1 Macは、バッテリーの駆動時間においてもIntel Macと大きな差が見られます。

バッテリー駆動時間

M1 Macは、Intel Macと比較して駆動時間が1.5倍以上伸びていることがわかります。

CPUやグラフィックス性能において、最上位版Intel Macと同等以上の性能を有しつつ、圧倒的な駆動時間を実現しているところに、高性能かつ低電力を謳うM1チップの真価が見てとれるでしょう。

まとめ

今回の内容のまとめです。

  • M1チップとは、AppleがMacのために開発した独自のチップセット
  • プロセッサとマイクロコントローラを統合したシステムオンチップ
  • 高性能コアと高効率コアを備えた高性能かつ低電力なCPU
  • Macアプリに最適化した最大8コアのGPU
  • Neural Engineによる卓越した機械学習性能
  • Mac内蔵アプリやApple製アプリはユニバーサル化されており使用可能
  • Intel Mac向けアプリもRosetta 2でエミュレートすることで使用可能に
  • Intel Macと比較してM1 Macは低価格かつ高性能
  • eGPUは接続できないので注意

最後まで読んでいただき ありがとうございました。

それでは、良いMacライフを!

こちらの記事も参考にしてみてください。 Apple新半導体「M1」搭載Macbook発表【改善点は、ほぼナシ?】

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