情報が溢れるようになった現代では、消費者は自分がほしい情報を厳選して手に入れようとするようになりました。
そのため、企業・個人(売り手)は消費者(買い手)に向けて有益な情報を発信することで目に留めてもらうよう努力をするようになり、その結果としてコンテンツマーケティングが普及しました。
こうした背景のもとで生まれた購買行動モデルがいくつか存在します。
そこで今回は、コンテンツマーケティング時代における購買行動モデルについて解説していきたいと思います。
人の購買行動
まずはじめに人の購買モデルは以下のようなものがあります。
- AIDMA(アイドマ)
- AISAS(アイサス)
- SIPS(シップス)
- DECAX(デキャックス)
ひとつずつ見ていきましょう。
AIDMA
「AIDMA(アイドマ)の法則」は多くの人が耳にしたことがあるのではないでしょうか。
- Attention(認知)
- Interest(興味)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動)
現在最も一般的に知られている購買行動です。
認知段階から入り、感情段階を経て行動段階へ移る購買モデルです。
AISAS
ネットが普及して登場したのが「AISAS」
- Attention(認知)
- Interest(興味)
- Search(検索)
- Action(行動)
- Share(共有)
「Search」は、商品に興味を持った消費者がGoogleやSNSを利用して、その商品について調べようとする行動を指します。
その後、InstagramやTwitterなどのSNSで、口コミや感想を発信(Shere)することで、多くの人へ商品や情報が広がり、「Share」→「Search」の好循環が作れるのがAISASの特徴です。
SIPS
SIPSは、AISASよりもさらにSNSに特化して考案されたモデルです。
- Sympathize(共感)
- Identify(確認)
- Participate(参加)
- Share/Spread(共有/拡散)
大きな特徴は「Sympathize(共感)」から入っていることです。
SNSの普及により、興味のなかった情報でも意図せずに視覚、聴覚から入ってくるようになりました。
そこで、思いもよらぬ共感が生まれるということはみなさんも経験があることでしょう。
特に、発信者の信頼性や影響力が大きいほど共感は生まれやすい傾向にあります。
ソーシャルメディアが主流となった現代の消費者の特性を、よく表したモデルであると言えるでしょう。
DECAX(デキャックス)の5段階
DECAXは、消費者との関係性「Engage」を深める購買モデルです。
「Discovery(発見)」は消費者がほしい商品を発見することではなく、消費者が有益な情報を発見することを指します。
消費者がインターネット広告に慣れてきた時代だからこそ、ただ商品を売りつけるのではなく、まずは関係を深めてから有益なコンテンツを提供することが重要なのです。
このモデルの購買行動は以下の通りです。
①:Discover(発見)
情報が溢れるようになり、どの情報が正しいかわからなくなった現代において、消費者は情報を自分から選んで取りに行くようになりました。そうした過程の中で消費者は自分にとって有益な情報を「発見」します。
一方で、企業側は消費者に「発見」してもらうために、有益なコンテンツを配信するよう努力するようになりました。これがコンテンツマーケティングの発端です。
②:Engage(関係)
消費者は企業が提供するコンテンツに何度も触れたり、そのコンテンツをシェア・いいねしたり、あるいは企業のメールマガジンに登録したりなど、徐々に「関係」を深めていきます。
このように「関係」を深めていくことで、企業は消費者の信頼を獲得し、初めて自社の商品に目を向けてもらうことができます。
③:Check(確認)
消費者がコンテンツとの「関係」を持つ過程で、本当にその情報が有益なものであるかどうかを「確認」します。もし、コンテンツの質が悪かったりあからさまに商材に誘導しようとしたりすれば、消費者は離れていくでしょう。
もちろん逆のパターンもあって、もし消費者がコンテンツを有益だと判断すれば、企業の商品を「確認」してもらえる可能性があります。これはコンテンツで積み上げた信頼の賜物であると言えるでしょう。
④:Action(行動)
コンテンツマーケテイングを通じて消費者が企業との関わりを持つことで、徐々に信頼関係ができあがっていきます。そして、消費者は企業のことを信頼できると思ったタイミングで企業の商品を「確認」します。
消費者は確認した商品が自分にとって必要である・有益であると判断したら「行動」に移します。もちろんここでの「行動」とは、商品を購入することを指します。
⑤:Experience(体験共有)
消費者は購入した商品を利用し「体験」します。商品によっては「体験」が継続的に行われる場合もあります。例としては頻繁にアップデートが行われるアプリケーションなどがあるでしょう。
そして、消費者は「体験」した感想や口コミをSNS等で「共有」します。ひとたび「共有」されてしまえば、また新しい人が情報を「発見」して再びDECAXのサイクルが循環していきます。